Vol.4 『IELTS本試験の受験頻度と回数』

IELTS講師の小玉です。私自身もIELTSの授業を担当しつつ、毎年4回程度は本試験を受けています。このコラムではその中でお役に立てると思ったことをお伝えします。


IELTSの目標スコアを取るためには本試験を受けなければならないのは当然です。安くない受験料ながら何度も受験する方が多いです。本当に受験回数が多いほど、点を取りやすくなるのでしょうか。

 

費用と時間

本試験の受験をするにあたって考えるべきは費用と時間です。どちらも目標達成のための大きな負担になります。

費用のことは皆さんしっかり計算されると思います。日本で受ける場合、通常のIELTSが25,380円、IELTS for UKVI は39,095円です。決して安くはありません。目標達成までに複数回受けることになりますので、ある程度の予算は確保しておかなければなりません。少なくても3回、平均では4~5回は考えておいてください。

時間については意外と考えていない人もいるのではないでしょうか。本試験によって半日から一日が潰れてしまいます。それによって得られるものは自分の手応えとスコアのみです。実力がまだ追いついていない段階であれば、この時間を勉強に費やした方が効率がいいでしょう。

 

余裕をもって計画を

IELTSのスコア要件を満たすというのは合格のための第一歩です。早めの準備が肝心です。1年以上の余裕をもって計画することをお勧めします。

条件付合格があるからといって対策を後回しにすると、ギリギリになって苦しむことになります。スコアの提出期限が迫れば本試験を連続で申し込まざるを得なくなります。東京会場が空いていなければ、地方や海外での受験も考えなければならないかもしれません。さらに、GMATや出願、インタビュー対策まで同時にやらなければならない可能性も出てきます。費用はもちろん、精神的な負担も相当なものになります。

留学を思い立ったら、まずは英語試験(IELTSやTOEFL)の最低限の基準を早くクリアできるよう、勉強を早く始めてください。

 

初受験は早く、その後は間隔を空けて

IELTSでスコアを取るために勉強を進めるのであれば、初受験は早い方がいいです。まずは敵(=本試験)がどんなものなのかを知らなければなりません。もちろん何も勉強しないで試しに受験するというのはよくないですから、問題集で各セクションの演習を一通りしてから受験してください。

その後の本試験はある程度の間隔を空けてからの方がいいでしょう。0.5のスコアを上げるのに3~6ヶ月かかるのが一般的です。スコアの期限まで半年以上の余裕があるのであれば、2ヶ月に1度のペースで十分です。実力チェックをしたければ本試験を多く受けるのではなく、公式過去問集(IELTS10など)を活用してください。Listening、Readingの力は手軽に計れます。

勉強を進めて、もういつでも目標スコアを取れるくらいの実力がついたと思ったら、2~3回の試験を申し込んで目標達成を目指してください。IELTSは問題による当たりはずれが大きいため、一発勝負というのは避けた方がいいでしょう。

 

ギリギリになる前に相談を

期限が迫ってくると当校のような予備校でも何でも使って達成しなくては、ということで焦る方もいらっしゃいます。しかし、それはかなり危険です。IELTSは短期的に簡単にスコアを上げられる試験ではありません。時間がない中では私たちがお手伝いできることも限られてきます。

困ってからではなく、まずは勉強を始める第一歩として当校のIELTSガイダンスなどにご参加ください。もちろん講座はお役に立てると思っていますが、絶対にすぐに受講するようにということではありません。必要と思われたときにお考え頂ければ結構です。それよりも、正しい情報を得た上で勉強を進めて頂きたいと願っています。

2016年1月5日
IELTS講師 小玉

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